
今回は、長年使用したエアコンの交換工事をご依頼いただきました。
「エアコンの効きが悪い」「なんだか調子が悪い」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。
プロの視点から、交換工事の現場をご紹介します!
1. 工事前:故障のサインは室外機にあり!
まず、交換前のエアコンの状態を見てみましょう。

▲長年お疲れ様でした!既設の室内機(AS224PEH)です。
一見すると普通の古いエアコンですが、問題は室外機にありました。
室外機(AO224PE)に霜がびっしり!これは故障のサインです。
写真のように、室外機の配管接続部分や熱交換器に霜が白く付着しています。
これは冷媒ガスが漏れている典型的な症状です。ガスが不足すると、冷却サイクルが正常に働かなくなり、部分的に異常な低温となって空気中の水分が凍りついてしまうのです。
こうなると、冷暖房の効率が著しく低下し、電気代もかさみます。
修理でガスを補充する方法もありますが、年式や漏れの箇所によっては交換が最善の選択となります。
2. 撤去から設置:プロのこだわりポイント
古いエアコンを撤去し、新しいものを取り付けていきます。
ここからは、私たち電気工事士が特に注意を払っているポイントを解説します。
こだわりポイント①:フロンガスの適正な回収(ポンプダウン)
エアコンの冷媒ガス(フロン)を大気中に放出することは法律で禁止されています。
そのため、まず室外機にガスを封じ込める「ポンプダウン」という作業を行います。
環境を守るためにも、これは絶対に必要な工程です。
こだわりポイント②:精度の高い配管加工と接続
室内機と室外機をつなぐ銅管の接続は、工事の心臓部です。
特に先端をラッパ状に広げる「フレア加工」は、わずかなズレや傷もガス漏れの原因になります。
専用の工具を使い、規定のトルクで慎重に締め付けます。
こだわりポイント③:真空引きで性能を100%引き出す
配管を接続したら、真空ポンプを使って配管内部を真空状態にします。
これを「真空引き」と呼びます。
なぜこれが必要かというと、配管内に空気や水分が残っていると、
- 冷暖房の効率が落ちる
- エアコンの寿命が縮まる
- 故障の原因になる
といったトラブルにつながるからです。
この作業を丁寧に行うことで、新しいエアコンの性能を最大限に引き出します。
3. 工事完了!快適な空気がよみがえる
全ての設置・接続作業が完了しました!

▲新しい室内機(SHARP AY-N22N-W)。見た目もすっきりし、省エネ性能もアップ!
室外機もこの通り、ピカピカに。天吊り金具にもしっかりと固定しました。
最後に試運転を行い、正常に冷えること、異音や水漏れがないこと、ドレン(結露した水)がしっかり排水されることを確認して、すべての作業は完了です。
まとめ
エアコンの交換工事は、ただ古いものと新しいものを入れ替えるだけではありません。
ガス漏れの診断から、法規を遵守した適正なガス回収、そして機器の性能を100%引き出すための精密な施工技術が求められます。
「最近エアコンの効きが悪いな」と感じたら、もしかするとそれは故障のサインかもしれません。
快適で安全な夏を過ごすためにも、信頼できるプロの電気工事士にお気軽にご相談ください!
既設機種: | 室内機:AS224PEH 室外機:AO224PE |
交換機種: | AY-N22N-W |
対応地域(エリア): | 神奈川県川崎市中原区 |
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